読書狂鳥栖サポの徒然草

オーバー30男が、日々感じた事を記録していきます。

自分が国家公務員を辞めた3つの理由(2019.6.24)

 2019年度初頭に、9年働いた国家公務員(一般職・技官)を退官しました。

 多くの方のお世話になり、愛着のある仕事もありましたが、悩んだ末に転職しました。

 この経験が、公務員を志望されている方や、公務員を辞めたいと考えている方の参考になればと思い、記事に残します。

 

国家公務員を辞めた3つの理由

 

①転勤族である

 色々な地域で暮らし、その地域の歴史や文化を肌で感じる転勤族という生き方は、大変魅力的でした。実際楽しかったですし、地元で働き続けた場合よりも視野は広がったと思います。 

 ただ、それも独身だった頃の話。縁に恵まれて結婚をしてみると、家庭を転勤に巻き込むことのデメリットが重くのしかかって来ました。

 

転勤ストレスが大きい 

 転勤って、物凄くストレスがかかるんですよね。

 引っ越しそのものには手当(※実費ではない)が出ますが、何十時間かかる荷造りや手続きを時給換算すると大赤字です。とにかく心身ともに疲弊して、引っ越しプチ鬱みたいになります。片付けが下手だというのもありますが、自分の場合は、帰宅してから寝るまで荷造りする生活が1か月続きました。 

 新しい地域では知り合いがいない中で生活し、スーパーから床屋、歯医者まで1から探さなければなりません。慣れるまで数か月かかりますし、離れるまで慣れない部分もあります。

 自分だけなら、メンタル削りまくって我慢すれば良いのです。引きこもってPS3※という手もあります。しかし、同じことを家族に強いることは、自分には出来ませんでした。

※休日はリアル世界よりスカイリムにいた時間の方が多かったかもしれません

 

共働きとの相性が悪い

 「男は仕事 女は家庭」というのは、「人間50年~」と同じくらい古くなってしまった言葉だと思います。働くというのは男女問わず自己実現の一手段で、今後も共働き世帯はどんどん増えていくと思われます。

 自分の妻は、大学卒業後から続けている仕事(非転勤族)を気に入っており、今後も続けていきたいと希望しています。そんな彼女に対して、こちらの転勤に合わせて仕事を辞めろなんて絶対に言えません。

 また、そんな家庭事情は異動にあたって大して考慮されません。同じ省庁職員同士の夫婦なら考慮される、なんて噂話はありましたが。なんじゃそりゃ。

 

②人事異動乱発でやりたい仕事が出来ない

 9年の公務員生活のうち、5度の部署異動を経験しました。最短1年、最長2年半です。同期と比べると若干多いかな、という印象ですが、飛びぬけて多い訳ではありません。名前書けば入れる大学出の自分でも、旧帝出身の同期でも変わりません。

 係員の人事については、基本的に適性や本人の希望など考慮せず、穴埋め的に行われます。適性なんて考えてちゃ回らないとか、そもそも人事権持つ人が係員の希望どころか顔すら知らないとか、色々理由はあると思います。

 本当に面白く、自腹で資料集めて時間外に研究した分野であっても、容赦なく取り上げられ、全く違う分野の仕事を押し付けられます。

 

 この人事異動というシステム、組織として動くには欠かせないものなのかもしれません。どこにでも使える駒を揃えておいたほうが、動かしやすいですもんね。

 ただ、個人としては全く幸せなものではありません。「あの仕事に戻るため、数年間我慢だ」という考えもありますが、数年間を我慢に使うのって、とても勿体なく感じられました。仕事で得る知識や経験というのは、我慢中の独学で得られるものとは全く違うものですしね。


③潰しが効かない

 人事異動に盲従した結果出来るのが、役所以外では生きていけない役人です。「継続は力なり」とは良く言ったもので、一貫性のない経歴では、まともにスキルが身に付きません。

 公務員の仕事は法令等の権威があってナンボのものです。これが無ければただの人です。「このオッサン、威張ってるけど役所出たら何の仕事も出来ないだろうなぁ」って人を何人も見てきました。

 スキルがない以上、役所にしがみ付かざるを得ないんですよね。その場合、理不尽な人事異動にも黙って従わなくてはいけません。「共働きで子供二人中学、引っ越したばかりだけど、4月から〇〇行って」「ハイ!喜んで!」みたいな。

 自分は、この隷属的な生き方に魅力を感じませんでした。

 

まとめ:人生を組織に振り回されたくない

 働く場所や仕事を選べないのは、大きなデメリットです。「置かれた場所で咲きなさい」なんて言葉(大嫌い)はありますが、我々は動物です。受け身の仕事なんて、楽しくないですよね。

 加えて、転勤は自分だけではなく家族の人生にも大きく影響します。

 

「自分や大切な家族の人生を、なぜ組織に左右されなくてはいけないのか」

 

 転職について3年ほど悩みましたが、踏み切る決定打となったのはこの考えでした。もちろん、30代スキル無し人間の進む道は険しいと思います。ただ、この先には自由や幸せな家庭が待っていると信じ、突き進んで行きます。

 

 少しでも、皆様の参考になれば嬉しく思います。